ページをめくるごとにざわざわ来るぞ!!:『福本伸行 人生を逆転する名言集~覚醒と不屈の言葉たち~』
2016年最後の読書で、2017年最初の読後感想文
さっきブログの公開記事をカテゴリごとに見てみたが、「読後感想文」カテゴリで記事を投稿したのは、2015年が最後になっていることに気が付いた。
2016年も年間通じて10冊ほどは読んでいる。その最後に読み終わったのがこちらの本である。そして、この本が2017年最初の「読後感想文」カテゴリの記事になりそうだ。
今Amazonで見てみたが、このシリーズはこの本以外にも何冊か出版されているらしい。
福本伸行先生の作品で今のところ読んだことがあるのは『アカギ』、それも三巻まで、である。ちなみに私は麻雀のルールは分からない。「和了る」の読み方もわからないのだが、この漫画には妙に引き込まれるところがある。主人公の所謂ラスボスオーラとでもいうべきものだろうか、凄みが紙面を通して伝わってくる気がするからである。
この本では『アカギ』に限らず、他の福本作品からも名言が紹介されている。それらの名言を全部で6つのジャンルに分けて紹介し、最後に福本伸行先生本人のインタビューやテレビでの発言を記している。尚、6つのジャンルの最後には紹介されている名言を作中で話した人物の簡単な紹介が載っている。
見開き1ページで名言、名言の発言者、出典、その名言が発せられた状況、「言魂ゲージ」、編著者の解説が載っており、作品を知らずとも名言を味わうことが出来る。勿論、作品を知っていたらより深く名言を味わえること間違いなしだと思う。
剃刀の如き鋭さ、海溝の如き深さ
何といっても紹介されている名言の鋭く深いことがこの本の特徴である。それだけその漫画作品がエッジの効いたディープなストーリー展開であろうということは想像に難くないが。
幾つか私が「ざわ…ざわ…」来た名言を紹介したいと思う。
30になろうと40になろうと奴らは言い続ける…
自分の人生の本番はまだ先なんだと…!
「本当のオレ」を使ってないから
今はこの程度なのだと…
そう飽きず 言い続け 結局は老い…死ぬっ…!
その間際 いやでも気が付くだろう…
今まで生きてきたすべてが
丸ごと「本物」だったことを…!
―――利根川幸雄
p16より
一日一日を真剣に生きさせてくれる言葉である。「本当の自分」を出すならば今この時この瞬間である。
ここぞという時…
そんな急所…
悪魔は みな優しいのだっ…!
何故それに気がつかない…?
―――工藤涯
p30より
これもまた真理。覚えておかなければコロッと騙されたりしそうであるので、心の底においておきたい。状況説明を読むに、しかしこの主人公、若干14歳にして壮絶な修羅場をくぐりすぎである。
大詰めで弱い人間は
信用できぬっ…!
つまりそれは管理はできても勝負のできぬ男…
平常時の仕事は無難にこなしても緊急時には
くその役にも立たぬということだ
要するに
ピンチは凌げず チャンスは逃す…
―――兵藤和尊
p54より
ここ一番、で弱いといつまでも勝負が出来ず、現状に甘んじるしかない。ただ、勝負することも大事だが管理することもまた大事だと思われる。緊急時とか「ここぞ」で戦え、尚且つ普段は無難に過ごせるようなハイブリッド人間になりたい。
あろうことか… 祈ってしまった…!
何も考えず… 神頼み…
救ってくれ…
オレを助けてくれ… だっ…!
もう自分以外… 頼る者などない… と
骨身に染みて…
知っていたはずなのにっ…!
―――伊藤開司
p82より
祈ることに関しては『ベルセルク』にもいい名言があったが、やるべきことをやりつくす前の神頼みの危険性がよくわかる名言である。
人は追い詰められて
初めて未曽有の潜在能力
その扉を開けることができる
そういう意味ではまさに
苦境こそチャンス
―――金光修蔵
p152より
「火事場の馬鹿力」の説明のような文章だが、苦境に陥った時に苦境をチャンスと思えるようになりたい。
作者本人からの言葉の中からは、これを。
何者になれるかどうか悩んでる若い人たちに言いたい。
おまえは東大主席か、と。
そういうエリートなら、今いる位置が惜しくて、
挑戦しないってのもわかるけど、
普通の人生しか送れそうにない人なら、挑戦するべきですよ。
20代でやるべきことは、勝つなり負けるなりすること。
勝てばいいし、負けでもいい。
一番まずいのは、勝ちも負けもしないこと
―――福本伸行
p224より
自分が今持っている物が、手放すのが惜しいものでもない限り、挑戦した方がいい、勝っても負けてもいいんだ、という挑戦しようとする自分を後押ししてくれる名言である。
該当する漫画を読んだことのない人でも、この本に収録されている名言はぐっとくるものがある。
2017年、決意も新たに、多くの事柄に挑戦していきたい。…勝っても負けても。
続きが気になるが次回作の出版が未定or完結したラノベ3選 100日ブログカウントダウンマラソン60日目
読書関連の記事で
昨日、本に関する記事を書いて、ふと思い出したことがある。人生に影響を及ぼし、尚且つ手に汗も握り、結末を渇望し青春(?)を謳歌する際の友となり糧となった本のジャンルがあることを。・・・ラノベである。
サクッと読めて内容はしっかりと作りこんであって、傑作と呼んでも差し支えが全くなく、スタンディングオベーションすら捧げたいほどの作品が。それにも拘らず、完結であったり先が分からないままに数年過ぎてしまった作品が。仙崎の中には三つある。本日はそれらを紹介していきたい。(出来る限りネタバレは無い方向で)
絶望と不可能を異常なまでに嫌う男子高校生と愉快痛快な仲間たち
仙崎が高校生の時に出会った名作。「無理」「不可能」といった言葉を心の底から嫌う高校生・岩村はいつしか自身が通う高校内では「超人間」として有名になっていた。彼とその仲間たちが所属するアメコミ同好会が、様々な校内外で起こる出来事を何とか丸く収めたり解決したりしていくというストーリーになっているのだが、登場人物のかけあいや、至る所にちりばめられているギャグ要素、主人公の対極として物語の中で位置付けられている、「完璧超人」の異名をとる生徒会長と生徒会の面々による暗躍、と今後の展開を大いに期待させる内容となっている。
しかし、次巻が全く刊行されない。
そしてこのラノベ、名言が大盤振る舞いされているのである。
ネタバレになりそうだが、最後の方から引用を。
「そんな事のどこが『無理』だ!『不可能』だ!いいか!本気で愛しているんなら躊躇うな!人間はみんな死ぬんだぞ!そのうち本当に何もできなくなるんだぞ!」
そして陽春は、力の限り叫んだ。
「俺がお前の力になってやる!できない事とできる事の違いを教えてやる!」
―『超人間・岩村』p274
彼が絶望や不可能を嫌う理由を知ると、この主人公を単なる「暑苦しい」奴だとは思えなくなる。
退かず戦う死神と超絶不運の女子高生と
サバキの時間―SLEEPLESS SHEEP’S JUDGE (角川スニーカー文庫)
- 作者: 本保智,山本ケイジ
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次はいかにもラノベらしい雰囲気漂う二冊である。
かなりの不幸体質の女子高生、伊吹綾香は、ひょんなことから「死者」に間違われ、バス事故に巻き込まれてしまう。実はそのバス事故を起こした人物は冥界から現世に戻ってきた「死者」であり、その「死者」を捕縛しに冥界からやってきた輪廻護法官:サバキと事故をきっかけに出会う。それ以降様々な「死者」を巡る事件に巻き込まれつつも、輪廻護法官であるサバキの手伝いをしつつ彼の師匠を殺害した犯人である「死者」の情報を集めていく…
全体としてテンポよく進んでいく話に一話完結型の内容構成となっている。
物語のアクセントとして出てくる「死者」の特殊能力、諺や四字熟語などを基にした「冥界刑具」、そして輪廻護法官の自身の魂を削って作る武器。
これらの要素と、「死者」とカルマに関する冥界のシステムを根底に置きつつ、話が進んでいく。
この作品の見どころは何といってもどの登場人物も皆必死であるという点であろう。
『超人間・岩村』とはまた違った意味で、何らかの事情から必死に何かをしようとする登場人物が多数登場する。
2冊で完結、という形を取ってはいるが、続きが気になる。とはいえ2冊目の終わり方が非常に綺麗なので何とも言えないのだが。
ハードボイルドアクションとかしっかりした世界観とか
アルティメット・ファクター 軌道上のキリングゾーン (角川スニーカー文庫)
- 作者: 椎葉周,山本ヤマト
- 出版社/メーカー: 角川書店
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アルティメット・ファクター (2) 決別のフォトン・クロス (角川スニーカー文庫)
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アルティメット・ファクター (3) 不屈のカウンタースナイパー (角川スニーカー文庫)
- 作者: 椎葉周,山本ヤマト
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アルティメット・ファクター (4) 鋼刃のジャスティス (角川スニーカー文庫)
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アルティメット・ファクター (5) 成層圏のパペットショー (角川スニーカー文庫)
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アルティメット・ファクター EARLY TIMES 赤道直下のソニックウェイヴ (角川スニーカー文庫)
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ラノベの中ではSFアクションに非常に特化した部類に属していると思われる。人類が地球を捨てて新たに居住し始めた惑星において、その惑星にもともと住んでいた生物(原生種)と戦うために生み出された「アルティメット」という戦闘に特化した種族。原生種を粗方相当し終えた後、人類は「アルティメット」の戦闘能力を恐れ、彼ら彼女らを排斥した。その排斥に恨みをおぼえた「アルティメット」の中にはテロ組織を作る者たちが存在し、人類に牙をむいていく―――
民間の軍事産業の中では弱小の部類に入る会社の社長を務める少女と、元・原生種を掃討する特殊部隊の凄腕の戦士だった「アルティメット」を含めた様々な社員たちが「アルティメット」の巨大なテロ組織と戦っていく、というのが全巻を通じた内容構成である。
様々な武器や戦闘術、SF技術などの魅力的な描写は勿論のこと、淡々と描かれる戦闘シーン、敵味方関係なく笑いを誘うギャグシーン、「アルティメット」達の悲哀、テロ組織の意外な目的、と重厚な世界観と相俟って壮大な物語を織り成しているのだが、5巻、6巻において何とも駆け足感が否めない。
もう少し続いてほしかったし、完結はしてほしくなかった作品でもある。テロ組織との攻防戦や、他の民間軍事産業との関連、惑星を巡る巨大な陰謀やら政治やらと、面白い要素が多々ある作品でもある。軍事・SF好きにとってはたまらない作品なのではないかと。
60日目。
人間に対する深い洞察と天地への考えを垣間見る:『易経』 100日ブログカウントダウンマラソン59日目
今週のお題「人生に影響を与えた1冊」
人生、とはいえ仙崎はまだそれほど多くの人生を生きてはいない。四半世紀も生きてはいないので、それほど人生経験がある訳でもなく、長い道程を歩いてきたわけでもない。
だが、自分の人生に最も影響を与えたのではないかと思っている本が1冊――正確には2冊――ある。『易経』である。
知ったのは中学生の頃だった
『易経』という書物があることを知ったのは中学生の時だった。たまたま図書館で見つけたというのもあるし、当時中国の歴史関係の小説を大量に読んでみようと思い立って読んでいたというのもある。しかも、その小説で取り扱う範囲が殷王朝~周王朝への変遷に関わるもの、であったのである。つまり、『封神演義』である。
この小説を読んで易の思想があったことを知り、また同じ図書館に『易経』が入っていたこともあって読み始めることとなった。後に書店で見つけて購入することになる。
謙虚であれ、物事は移り変わるものであることを知れ
岩波文庫の『易経』では、64の卦について一つ一つ漢文と、それの書き下し文、日本語での解説が与えられていた。中学生にとっては非常に親切な設計である。
今では書き下し文も、その原文である漢文も読めば大体意味が分かるものだが、当時の仙崎は日本語の解説をメインに読んでいた。
それでも、当時の自分と、今の自分に至るまでに与えた影響は大きいと思われる。
まず、謙虚でいることの大切さを知った。どうやら卦には色々と種類があり、更にその卦にも読み方が複数あるらしい。そのそれぞれを読み解いていくと、「謙虚であれば物事が悪化することを防ぐことが出来るかもしれない」パターンが多く存在するのである。謙虚でいることで周りからの助けを得られる、自分の主張が通る云々…、謙虚でいることの大切さは殆どこの本から教わったものである。
そして、万物は移り変わるもので、ずっと不運が続くものでもなければ、ずっと幸運が続くものでもないことも知った。卦の中には瑞兆を示すものもあれば、そうでないものもある。かなり良い卦もあれば良く無い卦もある。そして、良い卦も読み方によってはあまり良く無い意味もあり、「耐えて過ごすべし、時期を待つべし」といったアドバイスが加えられる場合もある。これらの卦から人生も含めて何事も移り変わるものだと知った。それを知っているのといないのとでは、不運に遭遇した時、何をやってもツイていない時の心構えが大きく異なる気がする。
易経のおかげか
中学生の時に『易経』の上巻を読破し、下巻の途中まで読んで、そのまま飛ばし読みをして放置しているのだが、上記の事柄をこの本を通して知ったおかげか、トラブルに巻き込まれても動じなくなり、また良いことがあったり自分の実力が認められた際も調子に乗ることがなくなったように思われる。結構いつでも自然体で落ち着いていられるような気がするのである。気のせいかもしれないが。
そして、『易経』に描かれている古代中国の自然観や人間を取り巻く状況に対する意見などから、当時の人々が自然や宇宙、人生をどのように考えていたのかを少しは知ることが出来る二冊であると仙崎は考えている。少なくとも単なる占いの本ではない、と仙崎は断言する。
59日目。
着実に目の前の一歩を。:『ワン・シング―一点集中がもたらす驚きの効果』
2015年2月最大の衝撃
以前の記事で、「年間150冊以上本を読む」とのたまった仙崎だが、この本で11冊目、とペースとしては落ちるかもしれないが、自分的には順調に読み進めている。
2015年1月最大の衝撃が『嫌われる勇気』(2014年秋から予約して、やっと順番が回ってきた本)だとするならば、2015年2月の衝撃はこの本だ。
実質今年一発目となる「読後感想文」カテゴリの、トップバッターとしてこれほど相応しい本は無いと思われる。
1つずつ、優先順位を付けて、1つの人生を
この本は全部で4つのパートに分かれており、最初の部分で、一つのことに集中することの大切さ、一点集中が齎す絶大な効果(ドミノ効果)、1つの事柄に打ち込んだ人々の成功事例を説明し、次のパート(PART1)では、「成功」するために必要だと世間でまことしやかに噂されている内容が如何に間違っているかを述べている。PART2では、成功するための「真実」を、具体的にどうすればよいのかという点から書いており、PART3では、PART2の「真実」で書かれていた成功するための具体的な方法を踏まえた考え方やTipsが紹介されている。
何れのパートにおいても、成功するためには重要かつ肝要な、魔法のような成果をあげる「たった一つのこと」を習慣化して積み重ねていくこと、その「たった一つのこと」を見つけ出すために的を絞っていくこと、その「たった一つのこと」を実行する上で障害となることとの付き合い方、「成功」するまでに日々どれくらいの時間を「たった一つのこと」に割かねばならないか、などが丁寧且つユーモアあふれる語り口で書かれている。
そして、「成功」に必要だと(世間で噂)されている要素が無くても成功できることが裏付けと共に説明されている。私としては、この部分が衝撃的であった。確かによく言われる事柄が多かったためである。
成功に必要なのは、「あれもこれも」ではなく「1つの事柄に絞って」であったのである。
引き算
捨てた方がええで
つまらん感傷や 思い出話なんか
捨てな 感情も 友情も 捨てな………
捨てて 余計なモンは全部捨てて 捨てて 捨てて
最後 ”勝利”という 結晶が残るまで 捨てて
それが
「勝ち」を 目の前に ころがすんや
御堂筋翔
『弱虫ペダル』16巻
目的に即した方法で、「勝ち」という「たった一つのこと」を目指そうとしている人、というので思い出したのが、この漫画のこのキャラクターである。この漫画には他にも一つのことを突き詰めて全力でやり抜く、というキャラクターが多いが、彼のこの台詞は何とも刺さるものである。
仙崎は好奇心旺盛な方であり、没頭し始めると結構長時間集中して物事に取り組む(また、取り組める環境に現在は居る)が、重要かつ根本的な「一つのこと」を見つける時点で手間取ることや、そもそも重要な一つの物事に全力で取り組むために必要な意志の力を無駄に使ってしまうことが多かった。どのようにしてその最も大切な「一つのこと」を探し出すのか、如何にしてそれに取り組むのか、が書かれたこの本を読み、日々、「一つのこと」に全力で取り組んでいきたい。
図らずも
二帳流
そうして11月の最終土曜日くらいまで、色々と予定と記録の関連について悩んでいた。予定を書けば記録が書けず、記録を書けば、予定がおろそかになる。悩みつつもまあこれで何とかやっていけるだろうと思っていた矢先。書店で発見してしまったのである。
学生 島耕作(1)限定版 ほぼ日手帳WEEKS 2015付き (講談社キャラクターズA)
- 作者: 弘兼憲史
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何だこの素晴らしい組み合わせは。
前から島耕作には興味があったし、一時期此方のアプリで『会長 島耕作』を読んでいた。
(オランダ視察の様子は非常に興味深い内容だった)
後に会長にまで上り詰める人間の学生時代、同じ学生である自分にも何か学びがあるだろうと思い購入した。
勉強しろよ
時は1960年代。日本全体が色々と発展と成長に入っていこうとしている中で学生運動が俄かに盛り上がっていた。そんな時に山口県は岩国から東京に受験に来た若かりし島耕作。早稲田大学の受験から、寮の先輩たちとの絡み、初恋の人にしてペンフレンド(この言葉の懐かしくも美しい響き!!)三沢淳子との甘い恋の行方などの人間模様の描写の中、根底に流れる学生運動。少なくとも平成生まれ、1990年代生まれの仙崎にはなかなかに珍しいものだ。(ついでに早稲田大学の島のクラスに女性が一人しかいない、というのも当時らしいと言えば当時らしいのだろう)
取り敢えず一巻を読み終わって思ったことは、
島、勉強しろよ。
ということである。
友人に誘われて学生運動系の活動を見に行ったり、ジャーナリズムの何かのサークルを見に行ったり、休み明けにはESS(これがある中学、高校、大学も珍しいのではないだろうか)入部を決心したりと、なんともふらふらと落ち着かない感じである。
また、
ここでわかったのは 大学生なんて 殆ど勉強しない人種だということだ
みんな親から離れて遊び呆けている
――島耕作
『学生島耕作』一巻
といっている割には、
何だか授業にも出られないし
"目標"が何もない
毎日が空疎でやる気が
おこらない
――島耕作
『学生島耕作』一巻
とも言っているので、仙崎にとってはオドロキである。(それとも今の学生も勉強しないのか?)
物凄く勉強しろよと突っ込みたかったが、まあそれも時代背景とかを考えると普通なのかもしれない(授業料の高い私学に行っているのだが・・・)
電話とか東京観光とか酒とかヌードとか
『学生島耕作』を読んでいて参考になったのが、当時の様子の描写である。ピンク電話などは知識としては知っているものの、実際に使ったことが無い代物だし、東京には訪れたことが無いが、観光名所も観光の仕方も中々「レトロ」な感じである。
学生寮の先輩に連れられて「社会勉強」に街へと繰り出した島耕作が先輩に誘われて酒を飲み、また学生寮でも同級生と酒を飲む(しかも未成年)というのは、今では(勿論当時もだが)違法だし、問題になる。(アルハラダメ、絶対。NO!未成年飲酒)
ヌードスタジオなるものに出掛ける様子は見ていて面白かった。現在と状況を比較して読むのも面白いし、当時を若さで以て駆け抜けた人にとっては懐かしい光景だと思う。
で、肝心のWEEKSは
以前マンスリー欄が小さいからと使うのを敬遠していたWEEKSだが、今回図らずも手に入れることになり、実際に使ってみると、使い心地は良かった。
マンスリーに予定を書くよりも、ウィークリーの方に全て書いてしまえば問題ないからである。また、マンスリーに書いても、枠が小さくなればその分気を付けて書くのか、はみ出す心配はない。
ウィークリーの右ページのフリースペースも役に立つし、何よりかさばらない。
ただ、昔懸念した通り、表紙がめくれあがってきそうで心配である。
シンプルな見た目のWEEKS、今後の話が気になる『島耕作』のセット。買って損は無かった。
大体いつ買ってるか忘れてる。
今週のお題「今年買ってよかったもの」〈2014年をふりかえる 2〉
年を越しても、それは不連続なものではなく、連続したものである。
2013年から2014年になった時も、そしてきっと2014年から2015年になる時も。
連続しているということは、切れ目が無いということである。切れ目が無いということは境目が曖昧になるということである。もしかしたら我々は一年を過ごしていると思いきや同じ年を毎回違う風に繰り返しているだけかもしれない・・・
何が言いたいかというと、
いつ買った物なのかが分からなくなる時がある、ということなのである。
特にこの近年はそうだ。そして、一年を過ごしている間は長く、過ぎ去ったあとは短く感じられるので、いつ買ったかを忘れてしまうことがある。(何を買ったかは覚えている)
それでは2014年に買ってよかったものを。
神戸インク物語「布引エメラルド」
美しい緑色。初コンバーター用に購入した。スケルトンの万年筆に入れて、矯めつ眇めつすると楽しい。
LAMY Safari
LAMY サファリ 万年筆(EF) 2012年限定色 グリーン L13GN-EF
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2014年に2012年の限定色を買うとはこれ如何に。しかし、目の覚めるような緑に惚れたのである。家にブルー(F)もある。ブルーの方は宛名書きなどで重宝する。
MOLESKINE メモポケット
これは何時ぞやのインドネシア滞在において活躍しまくったメモポケットである。
インドネシア滞在記9:持って行ってよかったもの、次回持って行きたいもの 100日ブログカウントダウン84日目 - 13面体の賽子
現在財布以外の使い方を模索中である。
ケンガンアシュラ
企業同士のガチバトル!×一癖も二癖もある闘技者!
というものに惹かれて購入した漫画。現在、Web上でも一部公開されている。
買って損は無かったと心の底から思った作品。
ホークウッド
こちらは以前に紹介したことがある。
金を稼いで成り上がれ! ~読後感想文:ホークウッド~ 100日ブログカウントダウンマラソン14日目 - 13面体の賽子
中世の英仏100年戦争×実在した傭兵の生き様という、別の漫画を購入した際についてきた作品紹介から、数年間探し続けてきた。今年の夏にようやくお目にかかれ、そして内容は予想以上であった。
現在フェアをやっているらしい。
『乙女戦争』大西巷一×『ホークウッド』トミイ大塚 夢の対談:気分はもう中世暗黒時代 中世どっきり残酷対談だヒャッハー - ITmedia eBook USER
此方のページで、トミイ大塚さんを初めて見たが、この人が『ホークウッド』を作っているのかと、感動した。
弱虫ペダル
何だか最近話題になっているらしいということで、確か無性に疲れた時に購入した。漫画を買ったからといって自転車を購入したり(ママチャリ以外乗ったことが無い)、アニメを見たり舞台を診見たりするわけではないが、ヤケ酒したくなった時ややる気が起こらなくなった時に読むと少なくともヤケを起こそうとは思わなくなる。まだ10巻までしか持っていないが、今後の展開が楽しみである。
こうして振り返ると、2014年は文房具と本(漫画)とインドネシアに彩られた一年だったということになるのか・・・?
読書の秋:インドネシア 100日ブログカウントダウンマラソン96日目
秋の夜長に、世界最大の群島国家に想いを馳せて
インドネシア語学習者は多いか少ないか。これは仙崎が考え続けてきた疑問である。
大学で、インドネシア語を教えている所は、きっと少ないはずであるが、検定試験を受けた際に、意外と多くの人が受験しているのを見かけた。・・・年齢層は30~60代くらいだったが。
ただ、今後の事を考えると学習者は増えるんじゃないかと思われる。観光地としても有名なバリ、発展著しいジャカルタ・・・と、インドネシアには魅力的な場所が沢山ある。
ただ、観光でもビジネスでも留学でも、何を目的とするにしろ、インドネシアの事を最低限でも知っておいた方がいいのではないか。そう考え、今まで仙崎が読んでみて面白かったインドネシアに関連する本を挙げてみたいと思う。言語を学習しないまでも、インドネシアに関することをちょっとでも知っていると何かの役に立つかもしれない。
インドネシアについて、政治や宗教、教育、農業、経済など、一章数ページで簡潔に説明されている。
これを一冊読むと、インドネシアの今についてある程度の輪郭が分かってくるのではないかと思われる。経済面は言うまでも無く、政治面では、最近の大統領選挙について日本で報道されていたことからも、この国に対する関心が高まっているといえそうだ。背景を知っていると、数倍面白くなる。
これは、インドネシアの今後の成長の可能性や、市場の規模、経済的にも優位に立っているという点を統計データ等を駆使して詳しく説明している一冊である。その見立てには、若干楽観視しすぎているのではないかと思う所もあるが、インドネシアに経済成長の余地があることがよく分かる本である。同時に、この国の政治とカネの問題をも取り上げている。
以前、こちらの記事でもこの本の一部を取り上げた。
名前について 100日ブログカウントダウンマラソン40日目 - 13面体の賽子
古い本だが、一章一章の内容が非常によく練られている。民主化以前に出版された本なので、当時の状況がよく分かる。
こちらは、インドネシアにおけるイスラーム教の現状について書かれた本である。インドネシア国内のイスラーム勢力と国家、政治との関係について説明されており、インドネシアの政治を知るために必要なことは何か、について考察されている。
次は、言語学習のとっかかりになりそうな本を。
インドネシア語の文法や、単語の構造を分かり易く示した本。そこまで分厚くないので一気に読める。インドネシア語は難しくないんだ、と安心させてくれる本であると思う。読み物としても非常に面白い。「言葉のしくみ」シリーズは他の言語のバージョンもある。
インドネシア語レッスン初級〈1〉 (マルチリンガルライブラリー)
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インドネシア語レッスン初級〈2〉 (マルチリンガルライブラリー)
- 作者: ホラス由美子
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インドネシア語を学ぶ際にとっかかりとなりやすい。ユニットごとに内容がまとめられているので、毎日一章ずつ勉強していくと文法についてよく分かるようになっている。CDの発音も聞き取りやすい。
観光地や、有名な場所以外にも、インドネシアにはまだまだたくさん魅力的な場所があるんじゃないかと思っている。・・・勿論、魅力的な事柄も。
96日目。