13面体の賽子

最後に決めるのは自分だ。断じてサイコロではない。

少ないことは良いことだ?100日ブログカウントダウンマラソン5日目

五限目の試験にて

今日の五限目は、日本語教育の初級的な授業の試験であった。

 

当初日本語教師の資格を取ったり、国語の教員免許を取ったりするために受講し始めた授業であったが、国語の教員免許を取得することが如何にハードワークであるかを思い知らされた仙崎は教科書を買ってしまったばっかりにこの授業を残して他の国語に関する授業の受講を取り消したのである。

 

昨日の試験のダメージから抜け出せていないままに、右手を行使する。

 

問題の中に動詞の分類に関するものがあった。

 

日本語の分類には、様々なものがある。

 

それらを大抵は中学校で習う。

 

五段活用、下一段活用、上一段活用、変格活用・・・

 

未然形、終止形、連体形、連用形、命令形・・・

 

動詞、形容詞、形容動詞、名詞、副詞、連体詞・・・

 

国語の教科書の巻末の進化系統樹の如き分類は当時自分をゾッとさせたものである。

 

 

日本人でさえ訳が分からなくなる時があるそれらの分類に、日本語学習者の方は怒りを覚えてもいいはずだ、と思うが、実際はそれほどまでの分類はされていないようである。

 

動詞を例にとると、

動詞は〇〇行△△活用

とかで分類するのではなく、「グループ」で分類するようだ。

  • 1グループ:動詞に「~ない」をつけた時に形が変化する。(例:読む 読ます→読ない)
  • 2グループ:動詞に「~ない」をつけても形が変化しない。(例:生きる 生ます→生ない)
  • 3グループ:動詞「来る」「する」「〇〇する」

 

確かに、これならわかりやすい。

 

形容詞・形容動詞は、

  • イ形容詞:「~い」で終わる形容詞。ローマ字表記で-ai,-ii,-ui,-oiとなる。(例:美しい)
  • ナ形容詞:いわゆる形容動詞。(例:元気な)

となるようだ。「きれい」でイ形容詞だと混同してしまう場合があるらしい。

 

 

形容詞だ形容動詞だ、動詞にしてもア行五段活用だ、マ行上一段活用だ、などとならなくていいと知れば全国の中学生は諸手を挙げて喜ぶだろう。

 

 

日本語に関してはこれくらいにして。

少ないことは・・・

 

去年あたりに、東南アジアの言語に魅せられた(憑りつかれた)教員が言っていた言葉で、気になるものがあった。

 

「少ないことはいいことかもしれませんね」

 

何の文脈かは忘れたが、確か言語の分類についてだったと思う。

 

 

日常生活においても、煩わしいものは少ない方が良いだろうし、数量限定品はレアモノという括りになる。いつだって試験は狭き門から入った者が貴ばれるし、需要と供給の曲線は少ないものに価値をつけたがる。

 

 

日本語の分類が多すぎて、それが良くないことだとは言わない。その分類は言語学者の努力の賜物であり、素晴らしい財産だ。

 

 

ただ、東南アジアをこよなく愛し、学生を撃沈させるほどの試験問題を繰り出す初老の男性教員の言葉は、言語だけに当てはめて考えるには勿体ないものだと思った。

 

今日の試験の結果は、運を天に任せることにする。

 

 

5日目。