13面体の賽子

最後に決めるのは自分だ。サイコロではない。

ページをめくるごとにざわざわ来るぞ!!:『福本伸行 人生を逆転する名言集~覚醒と不屈の言葉たち~』

2016年最後の読書で、2017年最初の読後感想文

 さっきブログの公開記事をカテゴリごとに見てみたが、「読後感想文」カテゴリで記事を投稿したのは、2015年が最後になっていることに気が付いた。

2016年も年間通じて10冊ほどは読んでいる。その最後に読み終わったのがこちらの本である。そして、この本が2017年最初の「読後感想文」カテゴリの記事になりそうだ。

人生を逆転する名言集

人生を逆転する名言集

 

 今Amazonで見てみたが、このシリーズはこの本以外にも何冊か出版されているらしい。

福本伸行先生の作品で今のところ読んだことがあるのは『アカギ』、それも三巻まで、である。ちなみに私は麻雀のルールは分からない。「和了る」の読み方もわからないのだが、この漫画には妙に引き込まれるところがある。主人公の所謂ラスボスオーラとでもいうべきものだろうか、凄みが紙面を通して伝わってくる気がするからである。

この本では『アカギ』に限らず、他の福本作品からも名言が紹介されている。それらの名言を全部で6つのジャンルに分けて紹介し、最後に福本伸行先生本人のインタビューやテレビでの発言を記している。尚、6つのジャンルの最後には紹介されている名言を作中で話した人物の簡単な紹介が載っている。

見開き1ページで名言、名言の発言者、出典、その名言が発せられた状況、「言魂ゲージ」、編著者の解説が載っており、作品を知らずとも名言を味わうことが出来る。勿論、作品を知っていたらより深く名言を味わえること間違いなしだと思う。

剃刀の如き鋭さ、海溝の如き深さ

何といっても紹介されている名言の鋭く深いことがこの本の特徴である。それだけその漫画作品がエッジの効いたディープなストーリー展開であろうということは想像に難くないが。

幾つか私が「ざわ…ざわ…」来た名言を紹介したいと思う。

30になろうと40になろうと奴らは言い続ける…

自分の人生の本番はまだ先なんだと…!

「本当のオレ」を使ってないから

今はこの程度なのだと…

そう飽きず 言い続け 結局は老い…死ぬっ…!

その間際 いやでも気が付くだろう…

今まで生きてきたすべてが

丸ごと「本物」だったことを…!

―――利根川幸雄

p16より 

 一日一日を真剣に生きさせてくれる言葉である。「本当の自分」を出すならば今この時この瞬間である。

ここぞという時…

そんな急所…

悪魔は みな優しいのだっ…!

何故それに気がつかない…?

―――工藤涯

p30より

これもまた真理。覚えておかなければコロッと騙されたりしそうであるので、心の底においておきたい。状況説明を読むに、しかしこの主人公、若干14歳にして壮絶な修羅場をくぐりすぎである。

大詰めで弱い人間は

信用できぬっ…!

つまりそれは管理はできても勝負のできぬ男…

平常時の仕事は無難にこなしても緊急時には

くその役にも立たぬということだ

要するに

ピンチは凌げず チャンスは逃す…

―――兵藤和尊

p54より

ここ一番、で弱いといつまでも勝負が出来ず、現状に甘んじるしかない。ただ、勝負することも大事だが管理することもまた大事だと思われる。緊急時とか「ここぞ」で戦え、尚且つ普段は無難に過ごせるようなハイブリッド人間になりたい。

あろうことか… 祈ってしまった…!

何も考えず… 神頼み…

救ってくれ…

オレを助けてくれ… だっ…!

もう自分以外… 頼る者などない… と

骨身に染みて…

知っていたはずなのにっ…!

―――伊藤開司

p82より

祈ることに関しては『ベルセルク』にもいい名言があったが、やるべきことをやりつくす前の神頼みの危険性がよくわかる名言である。

人は追い詰められて

初めて未曽有の潜在能力

その扉を開けることができる

そういう意味ではまさに

苦境こそチャンス

―――金光修蔵

p152より

「火事場の馬鹿力」の説明のような文章だが、苦境に陥った時に苦境をチャンスと思えるようになりたい。

作者本人からの言葉の中からは、これを。

何者になれるかどうか悩んでる若い人たちに言いたい。

おまえは東大主席か、と。

そういうエリートなら、今いる位置が惜しくて、

挑戦しないってのもわかるけど、

普通の人生しか送れそうにない人なら、挑戦するべきですよ。

20代でやるべきことは、勝つなり負けるなりすること。

勝てばいいし、負けでもいい。

一番まずいのは、勝ちも負けもしないこと

―――福本伸行

p224より

自分が今持っている物が、手放すのが惜しいものでもない限り、挑戦した方がいい、勝っても負けてもいいんだ、という挑戦しようとする自分を後押ししてくれる名言である。

 

該当する漫画を読んだことのない人でも、この本に収録されている名言はぐっとくるものがある。

2017年、決意も新たに、多くの事柄に挑戦していきたい。…勝っても負けても。