13面体の賽子

最後に決めるのは自分だ。断じてサイコロではない。

その3秒を足掻け。:『就職は3秒で決まる。―面接官が採用する「3秒ルール」とは?』

学生でして。就活とか気になっちゃうお年頃であったりするかもしれないんですよ。

 大学生活というものもあと数年で終わってしまうものなのである。ある意味では悠々自適生活というものもいずれは終わるものである。仙崎はしがない一学生であり、大学を卒業したら卒業したで社会人になるものと思われる。そうなると近年(に限らずいつの世でも)世間を騒がせる「就活」というものを経験することになるはずである。

 

と、いう訳で。図書館に置いてあったこんな本を手に取ってみた。

 

 

就職は3秒で決まる。―面接官が採用する「3秒ルール」とは?

就職は3秒で決まる。―面接官が採用する「3秒ルール」とは?

 

 消費税率が8%になってからというもの、仙崎は出来る限り本の購入を控えるようになった。

図書館には書店に置いてある本が普通に並んでいるので、どうしても欲しい本以外は借りて読むことにしている。

 

こういった「就活本」の類は迷わず図書館で探すに限る。あとは立ち読みか。

 

 

この本は全部で6つの章からなり、前半ではタイトルにもある「3秒」についての説明、後半では「コンサル脳」というものを使っていかに就活を乗り切るかについてが書かれている。

 

3秒ルール

この本ではまず「3秒」で就職が決まるとする理由の一つに、「学歴」が挙がっている。

 

就活生は出身大学によって3つのグループに分けられ、そのグループ分けに従ってまあ色々と決まってくるらしい。

 

それだけが「3秒」の理由かと思いきや、その後に面接での「3秒」、面接官の種類に応じた「3秒」と、3秒で就職が決定されるという理由が3章にわたって説明される。

 

面接では「3秒」で印象が決定されるということや、面接官の立場に応じて「3秒」が持つ意味合いが変わってくるということが書かれている。

 

 

コンサル脳と就活

後半部では「コンサル脳」というものが出てくる。著者はコンサルタントであり、自身の経験を就活生に対して活かしてもらおうというコンセプトが根底にあるようだ。

 

本書によると、コンサル脳とは企業を観察する洞察力のことであるらしい。

 

そのコンサル脳を使って企業を探す方法や、会社説明会に出る方法、OB訪問の仕方やインターンシップへの参加の仕方から、新聞五紙を読み比べたり、自分が気になるテーマでレポートを書いてみたりといった企業研究や自己分析に代わるような手法までの様々な事柄を紹介している。

 

 

全体として・・・

 読んでみて結構面白い本であった。今まではこういった「就活本」は敬遠しがちであったが(それよりも数学や化学や法学や文化人類学や心理学といった自分の専門ではないが興味ある事柄の本を読むのに忙しかったともいえる)、鋭い意見が多かったように思われる。

 

特に、就活生がどのように企業側から見られているのかという点が興味深かった。

 

「学生団体の副会長」という立場が胡散臭いものであり(中にはそうでないものもあるのかもしれないが)、また謎の「元気アピール」が面接官を不快にさせるものであるという事柄は他の「就活本」には書かれていないものであったのではないかと思われる。

 

ただ、「リクルートスーツを脱げ」とか、「オーラ」といった「そこまで言っちゃっていいの?」というアドバイス、定義付けが困難な概念も見受けられた。

 

最初にも書いたように、仙崎は一介の学生である。社会のことなど知らないに等しいと言っても過言では無い。本に書かれた事柄のまとめ及び自分なりの考えをまとめただけであるので、「何も知らない学生が」といったことを言われても致し方ないと思うと同時に「何も知らない学生」であるが故に配慮をお願いしたい所もある。

 

今後の就職事情がどうなるのかは分からないが、「働く」ということがどういうことなのかを、真摯に考え続けるしかないのではないかという結論に達した雨の降る祝日であった。

 

 

長文失礼いたしました。